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野川公園 サギ 202002.JPG
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デジカメ写真202002野川公園P1030920メジロ2.jpg
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野川公園メジロトリム済み.jpg

「野川公園の梅が満開で、朝にウグイスが集まっていますよ。」と近所の人が伝えてくれた。

 都立野川公園はそれまで歩いた事がなかったし、梅とウグイスにとても興味が惹かれたので案内をお願いした。朝6時半に出発。公園北門から入り野川に沿って歩く。野川は細い川なのだが清冽な流れだった。川霧が立ち、シロサギとカモたちの泳ぐ姿が水面にも反映されていたのに驚いた。

目的地の梅林は紅梅白梅が満開!さてしかしウグイスは?

朝日が木々に差し込みはじめて森は魅惑的な陰影を帯びる。そして梅の花に鳥たちが群がり始める。最初は大型の鳥だ。

え~?ウグイスってこんなに大きかったっけ?

しばらくぼ~っとしていると、自分の頭の上に花びらが落ちて来た。何だろうと思って見上げたら、たくさんの小鳥が密をすっている。いつのまにか大きな鳥は姿をけしていた。カメラを向けるとどうやらウグイスかも。夢中でシャッターを切る。

それが掲載の写真なのだが、よくよく見ると、それらはウグイスではなくメジロのようだった。

野鳥を撮影するのは初めてだった。それがどれほど難しいことなのかも痛感した。ともかく小鳥たちはひと時も落ち着かず枝から枝へと飛び回る、そしてこちらのデジカメはシャッターが俊敏に降りないので狙った相手をうまく撮れないのだ。動物写真家の苦労がしのばれた。

それにしても、野川の水と梅の美しさはしみじみと目にしみた。

そして、かつて読んだ志賀直哉の「朝顔」という志賀晩年の随想の一節を思い出した。それは志賀が早朝に庭の朝顔の花を見つめた時の感慨をしるしたものだ。

「これは少年時代、すでにこのみずみずしさは知っていて、それほどに思わず、老年になって初めて、それをたいへん美しく感じたろうだろうと思った。」

​最近になって、自然の美しさに心を動かされるようになった。

この文章の後段には、朝顔の密を吸うあぶが登場するのだが、志賀には目もくれないことに親近感を覚えて楽しい気分になったことを記述している。

​そうそう、野川公園の小鳥たちも私には気を遣わず花に夢中になったいることに、なんだか自然と一緒になっているような感じがして楽しくなった。

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